『さよなら、アドルフ』 – これは”ヒトラーの子供”の《戦後》の物語

『さよなら、アドルフ』 – これは”ヒトラーの子供”の《戦後》の物語

評価・レビュー

さよなら、アドルフは、2012年公開の戦争映画です。

ユダヤ人側から見たナチスを描いた映画はよくありますが、ナチス側の子供の物語という、ナチスを題材にした映画の中では、珍しい物語になっています。戦闘や虐殺のシーンなどは一切出てこないのですが、十分に戦争の残虐性が伝わってくるあたりは、演出のうまさでしょうか。

幼い弟や妹たちは父親が何をしているのか、ヒトラーがどういった人物なのか、あまりよくわかっていません。長女のローレもまだ14歳だしあまり理解していないように見えましたが、父親を尊敬しており父親が信じるヒトラーを”素晴らしい偉大な人物”であり、正しいと信じているという状況です。

そういえば、縞模様のパジャマの少年もナチス側の子供が主人公でしたね。縞模様のパジャマの少年との大きな違いとしては、主人公がなんとなくでも戦争を理解しているかどうかという点です。

そんなローレ達が、父親・母親が戦犯として拘束されたことにより、900キロ離れた祖母の家を目指すという過酷な旅に出る物語です。

行く先々で辛い思いをするローレたちが出会ったのは、一人のユダヤ人の青年トーマスでした。皮肉にも彼の助けによって、何とか旅を続けられるという状況に最初はローレは苛立っていました。

ですが、トーマスとの出会いや街中で見たナチスの残虐行為を写した写真などによって、ローレの心境・思想が徐々に変化し始めます。そんなわけで、この映画はタイトルの通り、ローレが”アドルフ”・ヒトラーと”さよなら”する映画です。「さよなら、ヒトラー」ではなく、「さよなら、アドルフ」とした点もなかなか秀逸ですよね。

おそらく、ナチス関係者の子供たちはみんな、ローレと同じような感情を抱いたのではないかと想像できます。いつの時代も戦争の被害者は子供たちなのではないでしょうか。

 

あらすじ

1945年春、敗戦後のドイツ。ナチ親衛隊の高官だった父(ハンス=ヨッヘン・ヴァーグナー)と母(ウルシーナ・ラルディ)が、連合軍に拘束される。置き去りにされた14歳の少女ローレ(ザスキア・ローゼンダール)は、幼い妹、弟たちを連れ、900キロ離れた祖母の家を目指す。終戦を境に何もかも変わってしまったドイツでは、ナチの身内に対する世間の風当たりは冷たく、たとえ子供であっても救いの手を差し伸べる者はいなかった。そんな中ローレは、ナチがユダヤ人にしてきた残虐行為を初めて知る。さらに、ローレたちを助けてくれるユダヤ人青年トーマス(カイ・マリーナ)が旅に加わり、ローレがこれまで信じてきた価値観やアイデンティティが揺らぎ始める……。

via Movie Walker

さよなら、アドルフ 予告編

 

キャスト

役名 俳優
ローレ サスキア・ローゼンダール
トーマス カイ・マリーナ
リーゼル ネレ・トゥレープス
ローレの母 ウルシーナ・ラルディ
ローレの父 ハンス=ヨッヘン・ヴァーグナー

 

DVD/Blu-ray


監督の作品

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。